KENZO FASHION ケンゾー・ファッション

KENZOブランドは、現在、ファッション部門とフレグランス部門という、全く別の二つの組織が動かしています。

KENZOファッションのアーティスティック・ディレクターのアントニオ・マラス。そして、KENZO PARFUMSのクリエイティブ・ディレクター、パトリック・グエージ。彼らは、同じロゴを掲げるブランドのディレクターとして、そのスピリットを支えています。

アントニオ・マラスも、パトリック・グエージも、彼ら独自の世界観を持っていながら、二人に共通しているのは、KENZOでのクリエーションは、高田賢三へのリスペクトをベースにしている、ということ、そして、高田賢三の世界観は、たとえ、彼らが自然体であっても、深く共感できるものであった、ということだと言えるかもしれません。

Kenzo Takada 高田賢三

ここでは、コレクションという場で、アントニオ・マラスが受け継ぎ、表現している、KENZOのスピリットをご覧ください。
 
アントニオ・マラスが手がけるKENZOの壮大なスケールのステージワークは感動的です。

荒涼とした大地を、
桜の大木を、
旅客船を、
壮大なフラメンコの夜会を。
想像の及ばないマラスならではの私的な世界をランウェーに創りだし、コレクションという1つの物語を完成させるのです。

Sayoko Yamaguchi 山口小夜子
写真は2008-'09A/W 山口小夜子さんに捧げたコレクション

そのエモーショナルでファンタジーに満ちた過去の舞台から、2009年 春夏コレクション「不思議の国のアリス」の鏡の向こうの世界をご紹介します。

 

KENZO 2009春夏コレクション
Woman Spring Summer 2009 >>

[ ある夏の日の想い出 ]

 

昔々、あるところにひとりの小さな女の子がいました。
その女の子は、ひょんなことから、おしゃべりな動物やシュールレアリストな植物が支配するファンタスティックで、
すべてが逆転している国での不思議な冒険に巻き込まれます。
 
少女の名前はアリス。
 
Woman Fashion Show

物語は美しい夏の午後に始まりました。
アリスは目眩をおこし地球の中心に向かって引っ張られ、マジカルでありながら、奇妙で変わった人々に溢れた見知らぬ世界に滑り落ちます。
目まぐるしく変化し、キラキラと光彩を放つその世界を辿ることは、とても容易なことではありません。

KENZO 2009春夏コレクションは、太陽の光で焼けた色の庭の中を、夢見心地に散歩するアリスの姿をイメージしたフラワーブーケ、フーラードプリントを取り入れ、ボタニカルモチーフの上に小花のウール刺繍を施し、素材にはモッシーなパステルトーンのサテンとギャバジンを選びました。
不思議な国へ向かって空中を滑り落ちる小さな女の子の姿は、フリンジ、折り重ねたチャイニーズクレープ、フリルのついたシフォン、リネン、チュールにより表現されています。
 
ふんだんに取り入れた刺繍とタペストリー、シェル、リボンとスパンコールなどの装飾を散りばめたパールやオーガンジーの花びら、メタリックモチーフでエナメル加工したクロシェ編み、ニットの動物モチーフなど、これらはすべてアリスが旅の途中で遭遇する風変わりな生き物を思い起こさせます。
 
夏のサンセットの日差しのように明るく、軽快で温かみのあるコレクションは、優しいパウダーカラーに包まれ繊細ではかないシルエット、ベールの織り合わせが透明感を生み出しました。
 
この世界では時間はグルグルと回りながら経過します。 時間とは、しなやかであり、変わりやすく、遠ざかっては再び戻ってくるものです。
アリスの時間は永遠に続き、その時間は、すべてであり、突然です。また、未来のノスタルジーと過去からなるものです。子供の時間があり、大人の時間があります。同時に、夢を見る時間と、夢に見られる時間があるのです。

KENZO Women Spring Summer 2009 / CollectionKENZO Women Spring Summer 2009 / CollectionKENZO Women Spring Summer 2009 / CollectionKENZO Women Spring Summer 2009 / Collection
©KENZO 2009
Woman Spring Summer 2009、Collection より